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印刷の基礎知識 2026.10.20

印刷の予備部数(余部)とは?必要数を不足なく納品するための考え方

印刷の予備部数を考えながら大ロット冊子を納品先別に整理するイメージ

印刷物を発注したあと、「注文した部数より少し多く届いた」という経験はないでしょうか。この多めに納品された分は、一般に予備・余部(よぶ)と呼ばれます。

ただし、余部の数は印刷方式や製造状況によって変わります。特に学校案内、カタログ、会報などを大部数で配布するときは、必要な部数を余部で補う前提にしないことが重要です。

先に結論!
  • 余部は、製造工程で生じた合格品を注文分に加えて納品するもの
  • 数量や有無を一律に保証できるものではない
  • 配布に必要な部数、社内保管、見本、追加配布分は発注部数に含める
  • 多拠点配送では、納品先別数量と予備の送り先を事前に決める

1.印刷の予備部数(余部)とは?

余部とは、注文部数とは別に納品されることがある余分な印刷物です。オフセット印刷では、印刷、折り、製本、断裁、加工などの途中で調整や検品が必要になるため、最初から注文部数より多めに材料を用意して製造することがあります。

その中から各工程を通過し、品質基準を満たしたものが注文部数を超えて残った場合、余部として納品されることがあります。つまり、「必ず一定割合が付くサービス」ではなく、製造結果によって生じることがある合格品です。

注文部数の冊子と製造後に残った小さな納品余部を分けたイメージ
注文部数とは別に余部が生じることがありますが、数量は製造結果によって変わります(生成イメージ)。
注意:「1万部必要だが、数十部は余部で補えるだろう」という発注は避けましょう。必要数が決まっている場合は、その数量を正式な発注部数として見積条件に入れます。

2.なぜ注文部数より多めに印刷するのか!

冊子は、紙に印刷して終わりではありません。折り、丁合、綴じ、断裁、検品、梱包と工程が続きます。表紙のPP加工や特殊加工が加われば、管理する工程はさらに増えます。

各工程を安定して進め、最後に注文部数をそろえるため、製造中は一定の予備を見込みます。JAGAT(日本印刷技術協会)でも、印刷だけでなく後加工の各工程に応じて予備を考える必要性が説明されています。印刷工程ごとの予備枚数について(JAGAT)

工程 予備が必要になる主な理由 発注者が確認したいこと
印刷 色合わせ、見当調整、印刷中の品質確認 色条件や校正の要否
折り・製本 機械調整、折れ・綴じ・断裁の確認 ページ数、製本方式、仕上がり寸法
加工 PP、穴あけ、ミシン、型抜きなどの調整 加工内容と必要な完成部数
検品・梱包 不良品の除外、箱入数や納品先別の数量調整 箱入数、仕分け、予備の納品先

3.3種類の「予備」を分けて考えよう!

予備部数の話が分かりにくくなる原因は、性質の異なる数量をすべて「予備」と呼んでしまうことです。発注時は次の3つに分けると整理しやすくなります。

印刷の製造予備・納品余部・発注者側の予備の違いを示す図
種類 意味 部数の考え方
製造予備 印刷・製本・加工を安定させるため工程内で用意するもの 印刷会社が仕様や工程から判断
納品余部 製造後に残った品質基準内の完成品 数量・有無は製造結果で変動
発注者側の予備 見本、保管、追加配布、紛失・汚損への備え 必要数を注文部数に含める

4.必要な印刷部数はどう決める?

印刷の予備部数を決めるときは、配布先の人数だけでなく、用途ごとの必要数を積み上げます。

発注部数の整理例

配布・販売する部数 + 社内保管 + 関係者への見本 + 追加配布に備える部数

この合計を「必要完成部数」として印刷会社へ伝えます。納品余部は合計に入れません。

例えば複数店舗へ送る場合は、店舗別数量の合計だけでなく、本部保管分、営業用見本、倉庫保管分も別に記載します。「合計部数」と「納品先別の内訳」が一致しているかを、発注確定前に確認しましょう。

5.大ロット・分納案件で確認したい7項目!

1万部以上の冊子や、多数の店舗・学校・営業所へ分納する案件では、余部の有無よりも正味部数をどこへ、どの荷姿で届けるかの管理が重要です。

大ロット印刷と分納で確認する必要完成部数・納品先別数量・包装・荷受け条件の7項目
  1. 必要完成部数:配布分・保管分・見本分を含めた総数
  2. 納品先別数量:本部、店舗、学校、倉庫などの内訳
  3. 版・品種別数量:地域版、店舗版、学科別などを版コードで区別
  4. 包装単位:クラフト包装の部数、箱入数、パレット単位
  5. ラベル表示:品名、版名、数量、納品先など
  6. 予備の送り先:本部へ集約するか、各納品先へ分けるか
  7. 必着日と荷受け条件:車両、パレット、フォークリフト、搬入場所など

配送指示の整理方法は、印刷物の分納指示書をExcelで作る方法も参考にしてください。

6.プリント名人なら製造から分納までまとめて相談できます!

プリント名人では、印刷から製本、検品、仕分け、梱包、全国発送まで一貫してご相談いただけます。多ページの無線綴じ冊子や大ロット案件だけでなく、納品先ごとの数量変更、指定部数での包装、箱ラベル、複数種類の同梱にも対応しています。

仕様が決まっていない段階でも、必要完成部数・用途・納品先数・希望納期が分かれば、担当営業が確認事項を整理します。見積依頼前の準備は、印刷見積もりに必要な情報と相談方法をご覧ください。

仕分け・梱包・配送体制については、印刷物の仕分け・梱包・全国発送の流れでも詳しく紹介しています。

よくある質問

Q.余部は必ず納品されますか?
A.必ず納品されるとは限りません。印刷方式や仕様、各工程の状況によって、完成後に残る数量は変わります。必要な冊数は正式な発注部数に含めてください。

Q.余部の数量を指定できますか?
A.製造結果として生じる余部の数量指定は難しい場合があります。必要な予備数が決まっているなら、その分を注文部数へ加えて見積もるのが確実です。

Q.余部はどこへ届きますか?
A.案件や梱包指示によって異なります。多拠点配送では、本部へまとめるのか各納品先へ分けるのかを、配送先数・梱包内容・納期と合わせて担当営業へお伝えください。

Q.正確に1万部を納品してほしい場合は?
A.「必要完成部数1万部」と明確に伝え、分納がある場合は納品先別の合計も1万部にそろえます。見本や保管分が別に必要なら、その数量も加えて発注してください。

まとめ

印刷の予備部数(余部)は、製造工程を経たあとに残った合格品が追加で納品されるものです。必要数を確実にそろえるには、余部を見込まず、配布・保管・見本・追加対応分まで発注部数に含めることが基本です。

大ロットや多拠点配送では、部数だけでなく包装単位、ラベル、荷受け条件まで共有すると、出荷時の数量違いや確認の往復を減らせます。

必要部数・分納・梱包までまとめてご相談ください

部数の決め方に迷っている段階でも大丈夫です。用途と納品条件を確認し、見積条件を整理します。

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